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相続税の税務調査 | 大分相続相談室

相続税は申告して終わりではありません。
申告して数年後に、相続税申告をした方の4人の1人の割合で税務調査が入ります。
更に税務調査に入った件数の8割以上という高い確率で、修正が入り加で税金を支払う必要あります。

税務署がチェックしてくるのは、次のような点です。

税務署がチェックしてくること

    家族名義預貯金の移し替え

    相続税申告書が提出されますと、税務署では申告された預貯金等財産の内訳に基づき金融機関等に照会を行います。
    この照会の結果、被相続人以外の家族名義の預貯金等が多い場合には、その残高の形成過程についての検証を行います。
    準備調査のかなりの部分がこの預貯金等の調査に注がれていると言っても過言ではありません。
    家族名義預貯金の中で、調査のポイントになるのが配偶者名義の預貯金等です。
    夫婦間では、安易に預貯金の移し替えをしがちです。
    「へそくり」的感覚で行う安易な移し替えが繰り返された場合、配偶者の預貯金残高が膨らみます。

    こうした預貯金が、被相続人の財産だという感覚は一般の配偶者にはありませんので、申告から除かれてしまうケースが多くあります。
    特に配偶者の収入が全くないようなケース、パート従業員など所得が少ないようなケースで配偶者名義や相続人等名義の預貯金が多い場合には、
    その預貯金の形成過程について説明が求められます。

    家族名義の上場有価証券が多くある

    預貯金と同様、上場有価証券が多い場合にも、その形成過程が問題となります。

    税務署では、証券口座についてもその登録印や申込者の届け出書類などの確認を行います。
    証券会社の口座を誰が管理していたかということが実質的な所有者判定の上で重要な要素となっています。

    未成年の子供名義の口座があり、その財産について、過去に贈与税の申告がないような場合、税務署では名義有価証券ではないかとの疑いを持ちます。こうした名義有価証券を相続財産に含めることは、それだけ税理士が相続財産の内容について、深く調べていることを示すことができ、相続税の税務調査を避けることにつながると考えています。

    また、配当金がどの口座に振り込まれているかということも重要な問題です。株式の名義が相続人や家族のものであっても、この配当が被相続人の口座に振り込まれているような場合には、税務署は、株式本体も被相続人が実質の所有者ではないかとの見方をします。

    株式の配当金は、証券代行会社へ通知することにより、振込口座を指定することができます。このときの振込口座は株式の名義人と違う場合でも、あまり証券代行会社で拒絶されることなく簡単にできます。ですから、こうしたことが行われているケースがかなりあると思われます。

    このような安易な考えが、相続税調査そして相続税課税につながることもありますので、絶対に避けなければなりません。

    預貯金口座の出入りが頻繁にある

    預貯金の入出金は、事業を行っていない限り、それほど頻繁にあるわけではありません。給料が入り、必要な生活費が出ていくだけです。

    したがって、預貯金の出入りが頻繁にある場合には、何らかの売買が頻繁にあるのが、あるいは誰かに対する貸付と回収があるのかが想定されます。

    それらが相続税申告書に表れていないときには、申告漏れが想定されるため調査対象者に選定されます。
    個人間の金銭の貸借は、把握が難しく、家族が知らない場合もありますし、借用書がない場合もあります。

    しかし、他人に対する貸付金がある場合には、相続財産として申告する必要があります。この存在を確かめるには、預貯金通帳の入出金の状況をよく確認し、判断していくしか方法がありません。

    税務署では、預貯金については実に詳しく調べています。相続税の税務調査の際に、預貯金の出金の中で100万円以上の金額が大きなものについては、そのお金がどこに行ったかというところまで調べていきます。

    そして、出金先の不明なものが多くある場合には、何かの財産を買ったのではないか、もしくは現金として持っていたのではないか、ということで税務調査に選定されることになります。

    多額な借入金あるのに化体財産がない

    化体財産とは、別の種類に成り代わった財産という意味です。

    借入金が多くある場合、この借入金が何に代わっているかも調査選定される要素です。
    相続財産には、不動産・預貯金・有価証券のようなプラスの財産もあれば借入金のようなマイナスの財産もあります。

    通常、相続税申告が必要なほど財産を所有している人は、借入金は何かを購入するために行います。
    したがって、多額の借入金が債務として計上されている場合には、借入れによって購入した何らかの財産があるはずです。

    しかし、化体財産が申告に反映されていない場合、借入れによって購入した財産が申告漏れとなっているのではないかという推測が立って、調査に選定されます。

    海外送金の回数と海外資産の関係

    海外資産の把握は相続税調査においては重点事項になっていると思いますので、特に注意していただきたいと思います。

    海外の銀行・証券会社に送金を行う場合、1か月で送金された金額が100万円を超える場合には、「支払調書」が送金元の金融機関から税務署に提出されます。また、反対に海外からの送金が日本国内の銀行・証券会社にあった場合には、同様に送金された金融機関から「支払調書」が提出されます。

    したがって、ある程度まとまった金額のデータ送受信の事績は税務署でも把握していることになります。その記録が蓄積されると、海外に財産があることが想定されます。

    それにもかかわらず、相続税申告書に海外の財産が記載されていない場合には、海外の財産の申告漏れが疑われ、調査対象者として選定されます。

    評価額の算定に問題があり

    ここでは評価誤り等について、起こりうる事例をいくつかあげておきます。

    土地・借地権
    まず、土地関係では、次のような事例がよくみられます。
    ①無償返還の届け出があるにもかかわらず、借地権相当額を控除して申告した。あるいは契約終了後には更地で返還する約定があるにもかかわらず、借地権相当額を控除して申告した。
    ②路線価図に掲載されている借地権割合で評価したが、実際の借地料から算定した借地権割合と差異があった。
    ③路線価で評価すべきところを倍率方式で評価してしまった。
    ④実際には一部しか貸していない建物を、全体を貸家として評価してしまった。この場合、土地についても一部しか貸家建付地として評価できないことになるため、土地建物両方について評価誤りが生じることになってしまう。
    ⑤路線価の見誤りがあった。
    自社株の評価
    ①持株割合の算定に誤りがあり、本来、原則的評価方式によるべきであったところが、配当還元方式で評価してしまった。
    ②類似業種比準価額方式、あるいは純資産価額方式との併用方式で評価していたが、土地保有特定会社、あるいは株式保有特定会社として純資産価額方式で評価すべきものであった。
    ③親族名義であったため、相続財産に計上していなかったが、実際は被相続人が他人名義で運用していたものと判明した。

    大分相続相談室では税務調査に熟知した税理士が対応します

    税務調査は基本的には、事前に税務署から通知が届きます。

    相続税の申告を税理士に依頼している場合には、申告書への押印のある税理士へ事前に電話が入ることがほとんどです。
    ですので、通常は申告を依頼した税理士に対応して貰えば良いのですが、中には税務調査の経験が浅い先生や相続税申告をほとんど行ったことのない先生がいらっしゃいます。

    そのような先生のお世話になっている場合には、別の税理士に依頼されるというケースが最近では多くなってきています。
    税理士の中には「税務調査は別の税理士に依頼してほしい」という方までいらっしゃるようです。

    当事務所では、税務調査にも対応しております。相続税申告の経験も豊富ですので、まずはご相談ください。
    相続税調査を長年、実施していた調査のプロが対応します。

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